（オパールの買い付けの話が始まるまでかなり長いですw オパール情報のみをお探しの方は、飛ばし読みして下さいね！）

いつもの宿、「ホテル　エル　オパロ」へ。

ここの宿は、マグダレナのオパール 買い付けといえばココってくらい老舗の宿で、

昔から、買い付けに来てる人の多くはここに泊まるし、

ここのオーナーのゴンサロさんは、

マグダレナで知らない人は居ない、正真正銘のメキシカンオパール界のドンだ。

私も気がつけばこの3年半、一体何度この地へ来て、この宿に泊まったか。

掃除のおばちゃんは仲良くなりすぎてパンツまで洗って干して畳んでおいてくれる。。。。w

だけど実は今回、

斜め向かいの、比較的新しく出来た、カフェ併設の「ホテル　リアル　キンタ　ミーナ」に常宿変えしようかなと浮気心が浮上。

前回の買い付けの時に、部屋を見せてもらってて、綺麗だし、なんかちょっと可愛いし、

そもそもマグダレナに来たら毎朝来るカフェが併設されてるわけだし、

こっちの方が良いかも。。。？

と、思ってたのです。

で、マグダレナに来て到着早々、そっちに行ってみたんです。

そしたらちょっと良い部屋しか空いてなくて、大して高くないっちゃ高くないけど、

いつもの宿だったら一泊150ペソなところ、新しいだと550ペソとの事で、

宿替えはせず、

いつもの宿に。

そしていつもの部屋に。

そう、この3年は間違いなく同じ部屋。

なんだか落ち着く第二の自分の部屋感さえ出てきた。。。

とてもシンプルで簡素な部屋なんですけどね。

夜はボトルワインと共に部屋にこもり、

今後のスケジュールの調整を。

来月末のフランスのミネラルショーについてや、

9月の帰国について。

日本に帰るのもフランスに行くのも飛行機代がほぼ一緒なんですねー、メキシコって。

往復12万くらいかかってしまうので、

よっしゃ楽しむぞーーーーって、

たった４日間のミネラルショーだけじゃ勿体ないので、

2週間の日程をとってメキシコからパリへの往復チケットを、1ヶ月前くらいに購入しました。

だけども、

ミネラルショー以外の10日間！何しよう何しようといろんな事で頭が一杯で中々考えがまとまらず、

今回のこの一人の時間、ゆっくりじっくりルートを考えようと思って、

色々調査中。

候補としてはイタリアとドイツ、そしてスペインあたり。

でも逆にそんなに足を伸ばし過ぎず、パリの蚤の市とフランスの田舎の方をじっくり巡るのも良いかも、、、とか回り回ってまたゼロに戻る。

ミネラルショー以外の今回のフランス旅の目的は

誰かから誰かへ、大切に使い込まれたアンティークものをとことん探したい。

キッチン用品や生活用品から、アンティークジュエリー、とにかく古いものを。

昔から今に残るものは、この先もずっと残る。

使い捨てやインスタントなものばかりを生産し消費する今の時代、

「大切なもの」を見失う前に。

インスタントな物に囲まれながら生活してたら、

生涯大切にしてもらえるものを生み出せるはずがない。

そんな風に思いながら、

身の回りを整えてます。

ただでさえここはメキシコ。

プラスティックに大きな問題を抱えてます。

この話はまただいぶ長くなるのでまた別の場所で。

すでに話はだいぶそれましたが、

今朝、目が覚めた時に、自分がマグダレナにいる事完全に忘れててちょっとびっくりする程の爆睡っぷりの朝。

朝８時ちょうど。

マグダレナの朝は本当に遅いんですよ。

朝一のカフェを飲もうにも８時半まで空かないし、

ましてオパール屋が開くのもだいたい11時過ぎ。

カフェが開くのを待ってコーヒーを飲みながら、

街の中心地、公園のベンチに腰掛けると、

馴染みの商人がポツリポツリと集合。

ここには、

特に店を持ってる人ではないけど、

鉱山に行く前の鉱夫さんや、鉱山を持ってるおじさん達が朝の公園で井戸端会議している。

今日は旦那は来てないのかとか、軽く挨拶を交わしたら、

ポケットから出てくる瓶に入った原石や、しわくちゃのパケから出てくるスーパークオリティのオパール達。

とんでもない高品質のピースが出てくるからびっくりする。

どんだけ使ってるの？って聞きたくなるような程使い込まれたパケを見ると、

良いもの取り扱ってたら、本当はこれで良いんだよなあって思ったりして。

綺麗なカンテラオパール を朝一で馴染みのおじさんから譲っていただき、

幸先良好を感じながら、他の商人との約束の時間まで一旦宿に戻ります。

朝は少し涼しいけれど、

日向で立ち話をしてるとぐんぐんと気温が上がり始め、

もう10時ごろには溶けそうに。

約束の時間までする事もなく居ても立っても居られないので、

もう一度公園まで行くと、

また顔馴染みのおじさん発見。

いつも大体公園にいるので、連絡先など特に知らないけど、

やっぱりいつもいる。

もしもここへ買い付けにくる方が居るのならば、

とにかく公園のおじさんに話しかけるのが一番です。

その際スペイン語は必須ですが、

目的は言わずにもわかってくれてるので、話は早いです。

ただ全員が全員オパール商人かと言うとそうではないので、

を、お忘れなく。

そして、

約束していた商人と会う時間になり、

そちらへ。

ツーソンでもマグダレナでもいっつもお世話になっている、

頼れるメキシコの父的存在の彼。

オパールの現状をいつも話してくれます。

代々受け継がれた鉱山をいくつも所有しており、

マグダレナのオパール協会の代表の一人。

今後建設予定のマグダレナのオパールミュージアムの話を嬉しそうに話してました。

私もとっても楽しみ。

ここでは自分自身が使いたいクオリティのリングサイズのオパールを多数購入。

欲しかったけどない物は、

明後日までに仕上がったものを隅から全部見せてもらう予定です。

カンテラオパール は欲しいクオリティのピースがなかなか無くて、

再研磨目線でも納得のいくピースでなければ再研磨したところで、ってなるので、

残り2日、どれだけ仕上がってくるか、楽しみに待ちたいと思います。

もう一軒、原石を見せてもらって研磨の仕上がり待ちをしてる信頼する職人さんがいるので、

そちらにも期待。

とりあえず昼の２時を過ぎたのでホテルに戻り休憩。

5月のマグダレナは本当に本当に暑いです。

14時から17時くらいまでは、ほとんどのお店が閉まり、シエスタに入ります。

オパール屋だけの話ではなく、街全体の人影がなくなります。

私はホテルに戻りますが、

途切れる事なくオパール商人が訪ねて来てくれ、

少しづつ気に入ったものをゆっくりセレクト出来ました。

ただ今年に入って初めて来て感じたのは、

価格の高騰と、クオリティについて。

価格はだいぶ上がっていて、

私は結構数を買うので最終的は今までの仕入れと変わらずにお世話になってるのですが、

単価がかなり上がっている。

自分用にちょっと買うとかって、日本で売られてる値段と変わらないんじゃないかなと思ったり。

アメリカに売りに行っているのでドルで元々提示してる商人も増えてます。

そしてクオリティについては、

この３年間で最も難しい年。

去年の頭くらいまでは、極上のカンテラオパールが選べたけど、

今は、選べるほど持ってる人が「なかなか居ない。」

と言うか、初日の今日のところは、「居ない。」

産出量も去年に比べて落ちているから仕方ないとのこと。

うーむ。あとは出逢いを楽しみに奇跡を願うしかないですね。

そして！

今日、友達のオパール商人との雑談の中で、

マグダレナからのインスタグラムで販売をしてるオパール業者の方の話になって、

前々からフォロワー数も多く、かなり幅広くワールドワイドに販売をしている業者さんで、

メキシカンオパールを販売してるので関連でよく出てくるので見てたのですが、

とにかく誰でもわかりそうな「パスタ」（練り）のフェイクオパールが沢山出てくるので、

気になってたんです。

で、この人なんでこんなにフェイクばっかり出してるの？って友達に何か知らないか聞いたら、

フェイクとかフェイクじゃないとか関係なくフェイクの方が綺麗だから売れるから売ってると言う話に。

僕はフェイクの物はちゃんとフェイクと言ってるよって。

それは分かってるけどじゃあこのインスタの人は？？？

いや、この人は言ってないね。。。。って。

いやいや、本物で綺麗なオパールがここには沢山あるじゃない！！

と思うのですがね。

だけど今、パスタがかなり売れてるらしい。（パスタはスペイン語で練り、つまりペーストという意味で、母岩を粉状にして練って再形成し、フェイクオパールを埋め、カンテラオパール に似せて作ったもの）

パスタの特徴はやけにキラキラしてる。

と言うかギラギラ。

私は、買う人に対して、フェイクオパールでいいのかなあ。って単純にそう思う。

キラキラしたものが欲しいなら、別にオパールに似せたものじゃなくていいんじゃないかなあ。って。

私は天然の、自然界が生み出す素晴らしいオパールを沢山見てきた。

そしてこれからもずっと関わっていきたいと思ってる。

この本物の、優しくも力強い煌びやかさを、もっと多くの人に手にとってもらいたい。

そんな風に思う。

だけど、

そうでない人も居る。

それが答えだ。

本物でも偽物でも、大概の商人さんは笑顔で正直に答えてくれますよ。

練りオパールの話で終わりたくないけど、

長くなり過たので、

また明日キラキラした明るい話が綴れるよう、

今日はゆっくり寝て休みたいと思います＊